富岡製糸場〜草津編
二日目。草津へ向けさらに北上します。昨日、立ち寄ったスーパー銭湯がつぶれていて風呂に入れなかったので、朝いちで藤岡市内の入浴施設スーパー千湯へ。
身を清めたところで本日の目的地、富岡製糸場へ。
梅雨明け直後で、朝からうだるような暑さ。バイクだと暑さはけっこう堪えるんです。
せっかく現地でガイドさんの話を聞いてきたので、ここらでざっくりと富岡製糸場の紹介をしましょう。
明治時代、生糸が日本の主要な輸出品でしたが、人手でちまちま作っていたので効率が悪かった。そこで、機械による製糸工場を作って生産力を高めましょうという明治政府の官営工場が明治5年、ここ富岡にできたわけです。
政府によって招聘されたフランス人技師、ポール・ブリュナによって機械や技術が導入され、富岡製糸場は完成します。当時、レンガを作る技術も輸入され、瓦職人が作り方を教わりながら煉瓦を作ったそうです。
この瓦職人に深谷出身者が多く、のちの煉瓦工場につながっていったんだとか。(2012年の埼玉日帰り参照)
この繰糸場は、「トラス構造」という柱を使わない工法で建てられています。柱を使わないことで広い空間を確保できるわけです。
さらに、採光のために高い天井と多くの窓ガラスが使われています。電気がない当時は暗くなるまでが仕事時間だったんですね。
ここで聞いた話で衝撃的だったのが、ひとつの繭から採れる生糸の長さは、なんと1,300〜1,500mとのこと。なんと繭が3つあればその高さ、富士山を超えますw
かいこってすごいんだね((((;゚Д゚)))
富岡製糸場では工女さんが働いていたわけなんですが、当時の工女たちと言えば「ああ野麦峠」に出てくるような過酷な労働のイメージがつきもの。
ですが、ここ富岡製糸場は、模範工場だったこともあり労働環境、賃金ともにかなり高い水準にあったようです。
ここを出て、地方で指導者として活躍した工女さんもたくさんいたそうですよ。
西繭倉庫。文字通り繭の貯蔵庫です。
乾燥場。買い入れた繭は、まずここで乾燥させます。カビが生えるのを防ぐのと、中にいるサナギを殺すためだそうです。
花と東繭倉庫。
この官営工場が富岡にできたのは、①養蚕が盛ん、②広い土地を確保できる、③住民の同意、④工業用水の確保、⑤燃料の石炭が近くの高崎で採れる、の5つの理由によるからだとか。東京からあまり離れていないというのもありそうですね。
今(2013年9月現在)、富岡製糸場は世界遺産の暫定リストに登録されています。
関連絹業文化遺産と併せて、「富岡製糸場と絹産業遺産群」という名称で2013年1月にはユネスコへ推薦書を提出しています。うまくいけば、2014年の世界遺産委員会で登録される運びとなります。
診療所。当時は健康保険などなく、医療費と言えばそれはもう高額なものだったそうです。
ですが、富岡製糸場では医療費は工場側が負担していたんだとか。どれぐらいVIP待遇かうかがいしれますね。
ブリュナ館。既出のブリュナ技師が家族と暮らしていた住居です。で、フランス人と言えばワインですよね。ここには地下室があり、ワインの貯蔵庫として使われていたそうですよ。
工女を募集したとき、ワインは人間の血だ、富岡へ行くと生き血を採られるぞという都市伝説がまことしやかに流れ、まったく人が集まらなかったとかw
で、見かねた初代工場長の尾高惇忠が自分の娘を第一号の工女として入場させ、安全性をアピールしました。なんともすごいエピソードですね。
さて、いったん群馬から長野へ。軽井沢経由で北上。連休の軽井沢、もうね渋滞ひどすぎ(涙)
白糸の滝へ。
白糸の滝と言えば、静岡の富士宮にある滝(2013年に世界文化遺産に登録)を思い浮かべる人が多いと思いますが、「長野に同名のしょぼい滝がある」という耳寄りな情報を友人から聞いていた僕はいつか絶対に行こうと決めていました。
これがそのしょぼい滝。
というか実際しょぼくありませんでした。意外と立派な滝でね。滝壺も澄んでましたよ。なかなか。
ローアングルから一枚。うまく流れを筋としてとらえられたかな、と。
軽井沢を後にし、草津へ向かいます。その途中、愛車YBRの走行距離が10,000kmに達しましたヽ(*´∀`)ノ
2年ちょっとで達成。これからもよろしくな!
草津へ到着。一度キャンプ場へ行き、テントを設営してから温泉街へ。
初めて見た湯畑。でかい!
日本には数えきれないほどの温泉がありますが、ここ草津は自然湧出量で堂々の日本一。
滝下通り。歴史のある湯宿が並びます。浴衣を着てそぞろ歩きなんてしたら最高でしょうね。
賽の河原、ならぬ西の河原へ。草津温泉街の西側にあり、至るところから温泉が湧き出し湯川となって流れています。
その荒涼とした景観から、鬼が住んでいると言われてます。
この奥に、「西の河原露天風呂」という草津を代表する日帰り温泉があるので入ってきました。
洗い場などはなく、あるのは巨大な露天風呂のみ。
開放感抜群でした。草津を訪れた際は是非!
本日の夕食。そばと舞茸天丼。きのこ基本大嫌いなのですがこの舞茸は美味しくいただけました。
ごちそうさま。
二日目の締めはライトアップされた湯畑の撮影。
キャンプ場は、さすがは標高1,000mを超えてるだけあって虫もいないし涼しいしめちゃめちゃ快適でした。
温泉も入ったし、少しは旅の疲れも癒えたことでしょう。