大分前編

後編が僕の中で大きな意味を持つので、あえて大分を前後半にわけることにしました。
八日目。いよいよ九州最終日。
大分、長湯温泉。温泉通には有名な場所ですが、ここは全国屈指の炭酸泉が湧出している地。
炭酸泉とは、その名のとおり、要するに泡がシュワシュワしている温泉で、この泡が皮膚から吸収され、血管を拡張させ血流をよくします。循環器系疾患や血行障害に効果があるんですね。入ると体がポカポカし、32度しかないぬる湯なのに体感温度は38度くらい。不思議な温泉でした。
泊まったのはこちらの天風庵さん。
外湯めぐり用の宿で、お風呂がありません。一階はお食事処。旅館は、このお店が片手間にやってる…なんて言ったら怒られちゃいそうですがw、経営している施設なんです。
ガニ湯。カニと村娘の悲恋の物語が残る温泉。
川の中に湧いているので、いつでも入れます。
長湯には飲泉の習慣があり、飲泉所がけっこうあります。
飲んでみましたが…鉄分多すぎ。サビの味がしました( -д-) 、ペッ
長湯温泉。そこは山と川と田んぼしかないような田舎でした。
だって、前日の夜に夕食を買った近くのAコープが19時で閉まるんですよw
あと10分到着が遅れてたらご飯買えないところでしたよ。
でも、田舎だけど…温泉は間違いなかったです。自信を持っておすすめします、ラムネ温泉!

さて、この日はまず久住高原へ行きました。
ここ久住も、「湯布院」と「由布院」みたいに、「久住」と「九重」が存在します。
しかも、「九重」は「くじゅう」と読むときと「ここのえ」と読むときがあるんです。
もう何がなんだかわかりません。
スカイパークあざみ台。
阿蘇くじゅう国立公園を一望する、標高1036メートルの大パノラマ展望…のはずだったんですが、全力で曇ってたので微妙…。
長者原。ちょうじゃばると読みます。
久住連山の登山口のひとつで、写真のとおり、周辺には湿原が広がっています。
晴れてたらそれはもう最高の景色だったんだろうけど…。
九重“夢”大吊橋へ。こちらは「ここのえ」と読みます。
長さ390メートルの、日本一の人道大吊橋。橋の上の景色も見事ですよ。ただし、入場料が500円かかりますが。
なんせ390メートルですから、普通に歩いても片道4〜5分くらいかかるわけです。
写真撮ったり景色眺めながら歩いてるから、10分くらいはかかったような気がします。
あまりに長いため、中間地点にこんな目印が。
一眼レフを持つようになってから、シャッターを頼まれる機会が増えたような気がするんですが、このときもカップルに頼まれまして。
普通の構図で撮っただけなのに、なぜかものすごい感動されました。なんでだ。

さて、この旅で一番行きたかった場所に向かうため、国道387号線を北上します。
するとこんな看板が!
え?マチュピチュ!?
それは宇佐市内の院内町、西椎屋地区にありました。
確かにマチュピチュっぽい。なんとなく。市職員が気づいたらしいのですが、「宇佐のマチュピチュ」と呼ばれ話題になっているそうです。
そのマチュピチュからほど近い場所に、棚田百選に選ばれている両合の棚田があります。
以前から棚田の写真を撮りたいと思っていて、撮るなら夏か刈り入れ前だな、と。今回、行程を練る上で棚田百選を地図上にマッピングして、行けそうなところをピックアップしていました。
おそらく多くの観光客が今まで訪れたのでしょう。農家の方にとっては仕事の場、生活の場であるにも関わらず、にこやかな笑顔を投げかけてくださいました。
観光客慣れしてると言ってしまえばそれまでかもしれませんが、普通ならうんざりするところを気持ちのよいおもてなしをしてくださり、本当に気持ちがよかったです。
さすがは棚田百選に選ばれている場所だけあって、素晴らしい景観を見せてくれました。
日本の原風景と言いますか。こういうところに来るとほっとするのは、祖先から受け継いだDNAのおかげなのかな。
棚田百選を全制覇した強者も全国にはいるみたいですが、憑りつかれるほどの魅力が棚田にはあるってことがここに行って少しわかりました。
さすがにそういう目標は僕にはないですが、旅に出た折、また機会があればどこかの棚田を撮ってこようと思います。