岩手〜青森編

三日目。ついに津軽半島の最北端に到達しました。
本音を言えば、本州最北端、下北半島の大間まで行きたかったですが、時間の都合で津軽半島の最北端を目指すことにしました。
二日目の昼から降り出した雨は、起きたらやんでいました。
今にも降り出しそうですが、まずは浄土ヶ浜へ。
ここは三陸を代表する景勝地で、名前の由来はまるで極楽浄土のような美しい景色だから、だそうです。
晴れていれば、空の青と海の青がもっと映えたでしょうね。

岩手をあとにし、青森へ入ります。ついに本州最北端の県に来たんだと実感。
奥入瀬渓流へ。
青森を代表する観光名所で、渓流沿いに遊歩道が整備されており、新緑や紅葉のシーズンはそれはそれは綺麗な景観が僕らを迎えてくれるここ奥入瀬渓流。
が、この日は小雨が降るような天候。
さらに昨日の雨のせいか、川が増水しています。そして流れがめっちゃ速い!
奥入瀬渓流、「奥入瀬激流」となってました…。
そもそも新緑にはまだまだ早いですね。だってここは青森。
奥入瀬渓流には滝が数多くあるのですが、最大の滝がこの銚子大滝。
ごぉごぉと音を立てながら水が流れ落ちてました。

十和田湖方面にクルマを走らせると、なんとあたり一面雪原が広がっていました。
それまで、出発してから一度も雪を見なかったのでさすがにビックリしました。やっぱり寒いとこなんですね。
弘前方面へ向かう国道で、クルマがひっくり返ってる事故を目撃しました。うん、気を引き締めて運転しなければ。

そのあと五所川原市内のガストに入ったのですが、渋谷や原宿にいそうなギャルたちが日本語とは思えない言葉でトークしていてそのギャップにものすごい衝撃を受けました。
これが津軽弁…。す、すごい訛りだ。まったくわからない。。。
ずいぶん遠くまで来たもんだなぁと実感させられました。

さて、このあと一波乱起きるんです。
ガストを出発、津軽半島最北端、竜飛岬を目指します。
雨がパラパラ降っていましたが、気になるのは風。夕方から少しずつ風が出てきたなぁと思っていたのですが、しばらく走るとあっという間に暴風雨!
台風?いや、そんなはずは。でも、台風かと思うぐらいすごい。
さらに沿岸だから風の影響をもろに受ける。久しぶりに運転してて怖いと感じました。

しかし、そんなものは悲劇の序章にすぎませんでした。

津軽半島自体けっこうな山で、途中からぐんぐん上りだします。
すると、霧が出てくる。霧なら箱根で何度となくすごいのを体験しているので、別になんてことはないんですが、走れど走れど一向に晴れません。それどころかだんだん濃くなってくる。
で、気がついたら周りが真っ白!
真下の中央線がかろうじて見える程度。30km/h以上は怖くてアクセルふめません。
ときおり中央線すら見失うときがあって、どこをどう走っているのかまったくわからない。白い箱に閉じ込められた感じと言えばなんとなく想像できますかね?
これは本気でヤバいと思い、音楽を止め、両手でステアリングをにぎって全神経を運転に集中させました。

思い出していただきたいのが、これがただの霧ではなく、霧 with 暴風雨だということ。
さらに、山道を走っているので民家も街灯もありません。半島の西側を走っているので、場所によっては路肩の向こうが崖だったりします。
つまり、中央線を見失って路肩にはみ出したら津軽海峡にまっさかさまなわけです。
もちろん、何も見えないので対向車に気づかずに正面衝突する危険性だってあるわけです。
こんな本州の最果てで、初めて走る道、山道、暴風雨、何も見えない濃霧。それも夜。
これほど恐怖と孤独を感じたドライブは今までありませんでした。ちょっとだけ「死」を覚悟しました。
そして、そんな極限状況が10kmほど続きました。

山道を抜け、霧が少しずつ晴れてきたときは本当に安堵しました。
クルマを停めてすぐ寝ようとしたのですが、クルマが揺れるほどの強風。本当に、少しずつ車体が動くんじゃないかと思うほどの強風ですよ。
疲れてたのですぐ寝れましたが、あれほど自然の猛威を肌で感じた日は後にも先にもありません。
あとで知ったのですが、竜飛岬は「風の岬」ともいい、年間平均風速が10メートル。常に強風な土地柄らしいです。