◇◆ 行程 ◆◇
  ■1日目
旧柳下邸  ⇒  港の見える丘公園  ⇒  線路とトンネルの見える場所  ⇒  谷戸坂・代官坂  ⇒  山下公園



3年前に行った耳すまロケ地探訪記がありがたいことに比較的アクセスが好調なので、その第二弾として同じくジブリ映画「コクリコ坂から」の舞台を散策してきました。

「コクリコ坂から」の舞台は1964年の横浜。東京オリンピックがあった年ですね。まさに高度経済成長まっただ中の日本。
ストーリーは横浜の山手地区が舞台ですが、主人公のメルが住んでいるコクリコ荘は、根岸なつかし公園の中にある「旧柳下(やぎした)邸」がモデルという説が有力だそうです。
根岸なつかし公園は、根岸駅から徒歩5分ほどの場所にあります。
これが旧柳下邸。大正時代に建てられたものですが、日本家屋に洋館がくっついている和洋折衷の珍しい建物。
横浜市が維持管理していて、無料で中を見学できます。
不定期で開催される「なつかし茶房」ではお茶をいただくこともできます。この日はたまたまやっていました。
旧柳下邸からの眺め。
海は見えませんが、少しだけ高い位置にあるため、住宅街を見渡すことができます。
メインの山手地区へ移動。
コクリコ坂の公開後、港の見える丘公園にいつの間にかこんな記念碑のようなパネルと旗ができていたようです。全然知らなかった…。
メルが毎日揚げる国際信号機。
上が「U」、下が「W」でUW旗とも言われます。意味は「安全な航行を祈る」だそうです。
風向きのせいで向きが逆になってますが気にしないでください(笑)
記念に設置されたパネル。
ちなみにこのパネルによると、コクリコ荘のある場所は港の見える丘公園がモデルとされているとのこと。
劇中に登場する印象的な風景に、橋の上から線路とトンネルが見える場所があります。
実はここ、モデルにされたと思わしき場所がちゃんと存在します。山手公園の近く、「桜道」沿いにその場所はあります。
こんな感じ。
JR根岸線が走っています。位置的には、石川町と山手の間になります。
タイトルにもなっている「コクリコ坂」の場所は、山手地区から元町へ下る「代官坂」、「谷戸坂」の二つの坂がモデルとなっているという説があります。
こちらは代官坂。どうです?似てると思いながら見るとなんとなく似てませんか?(笑)
続いて谷戸坂。港の見える丘公園から元町に至るバス通り。
さすがに海は見えませんが。谷戸坂からはマリンタワーがよく見えます。
こちらの背景に見える石垣、「ブラフ積石垣」と呼ばれ、横浜山手地区でよく見られる手法です。居留外国人が切り立った崖を「ブラフ」と呼んでいたのが由来だとか。
「コクリコ坂」を下り切ったあたり。ここが一番わかりやすいですね。花屋の「花」の看板、隣の家の格子窓まで同じです。
代官坂を下り切る直前あたりになります。
メルが買い物に来た肉屋。代官坂を下り切ったところにあるこちらの『丸英商店』さんがおそらくモデルと言えるでしょう。
なんと創業が1951年。半世紀以上続く老舗なんですね。
俊がメルにおもむろにコロッケをおごるシーン。
店内に入ってみるとコロッケが売っていたので僕も真似して買ってみました。一個100円です。
期待通り美味しかったですが、残念ながらその味を文字で伝えることができないので、是非ご自身で確かめに行ってみてください!
夜の山下公園を二人で歩くシーンがありますね。
写真は昼間ですが勘弁してください(^^ゞ
劇中のほうでは背後にクイーンの塔(横浜税関)とキングの塔(神奈川県庁)が見えてますが、実際同じ位置からは見えません。
マリンタワーとホテルニューグランド。どちらも現存します。
ニューグランドは1927年開業ですから、物語の時代のはるか前からですね。
近くに行くとイチョウの木で「HOTEL NEW GRAND」の文字が読めないのですが、この位置からならなんとか読めます。行けばすぐわかりますが、この場所、探してみてください。
最後は氷川丸。横浜を象徴する船舶です。
1930年から1960年まで航海し、現在は山下公園に係留され博物館として公開されています。
そう言えばラストシーンでは「航洋丸」という外洋航路船が登場しますが、ひょっとしたら氷川丸がモデルになったのかもしれませんね。
そんなことを自由に想像するのも舞台巡りの楽しみのひとつだと思います。

さて、ここから先は番外編になりますが、実はコクリコ坂って原作は漫画なのです。ご存じでした?
そして、この原作のほうにはモデルとなった坂がちゃんと存在するのです。
それは横浜ではなく、なんと意外にも東京。
文京区大塚にある「音羽の坂」というのがそれです。ちゃんと行ってきました!
原作漫画が発表された当時、音羽の坂にあるこちらの「コクリコ」というお店でよく編集や出版の打ち合わせをしていたんだそうです。
残念ながら営業していなかったので中の様子はわかりませんでしたが^^;
コクリコの場所はここ↓です。

長いこと神奈川に住んでいるので、なじみ深い横浜が大好きなジブリ映画の舞台に使われるのはやっぱり嬉しかったですね。
いいところなので、ジブリの舞台には興味ないという方も、是非横浜に遊びに来てください。