知床前編

高速バスは朝の6時45分にウトロバスターミナルに到着。
この日お世話になる宿はこちらの民宿、「しれとこペレケ」。
なぜここにしたかというと、理由は簡単、それはバスターミナルの目の前にあるから。
余談ですが、この日は僕の26歳の誕生日。世界遺産の知床を観光する…、自分にとっては最高の、忘れられない誕生日となりました。
予約するときに前もって伝えてあったので、顔を出して荷物を預かってもらいました。
夜行バスの客向けに、近隣のホテルで朝の7時から食事+入浴で2,500円というプランがあるので一番近い知床グランドホテルへ。
高いけどいいんです。なぜなら、出発後一度も風呂に入れてなかったから(涙)
知床グランドホテルの露天風呂から。
朝っぱらからこんな景色を見ながら温泉、さらにホテルでおいしい朝食(バイキングでした)をいただき、もう完全に上機嫌w
というわけで知床観光スタート。まずは知床峠へ。
戻るバスが一日に4本しかありません(笑)
しかも、到着が9時25分だったので滞在時間10分という無謀すぎる強行軍w
知床峠。ホワイトアウトしてて何も見えませんでした…。
10分で充分でしたw
ちなみに、晴れてると目の前に雄大な羅臼岳、遠くに北方領土の国後島を望むことができる絶景スポット。
日頃の行い…か?
気を取り直して次の目的地、フレペの滝へ。
フレペの滝。流れ落ちているのは川ではなく実は地下水。
知床連山に降った雪や雨が地下に浸透し、それがここから出てくるんだそう。
滝へ続く遊歩道。あたりには多数のエゾシカ。
北海道って本当にシカが多いみたいです。
午前中最後の訪問スポット、オロンコ岩へ。
知床には「知床八景」なるものがあり、手っ取り早くそこを訪れました。
既出の知床峠とフレペの滝も実は知床八景のひとつ。
オロンコ岩から見た三角岩。オロンコ岩をはじめ、ウトロには奇岩が点在しています。
オロンコ岩の頂上からウトロ港を俯瞰。
右下にある岩はゴジラ岩といい、これもやっぱり奇岩。
ずいぶん曇ってます。午後には雨でも降り出しそうな空模様。
知床と言えば鮭!いや、「北海道と言えば」かもしれませんが、とにかく鮭が有名なのでお昼ご飯は鮭の親子丼をいただきました。
期待を裏切らない絶品でした。やっぱり北海道は海の幸が美味しいですね。
午後は、知床岬までのクルージングを予約していました。
ですが、シケで前日は欠航、この日も午前中は欠航。午前中に事務所に確認に行ったところ、「今様子見るために海に出てるけど、8割がたダメだろうね〜」という絶望的な回答。
昼食を済ませもう一度、「どうなりました?」と訊くと、「あぁ出るよ」
誕生日に…奇跡が起きた♪
午前中だと逆光になるから午後にしていたのですが、どうやらそれが功を奏したようです。
けど…
出航直後、めちゃめちゃ船が揺れるんです!波がうねってディズニーランドのアトラクションかとツッコみたくなるぐらい揺れる。
こんなんが三時間も続くのか…と早くも泣きそうになりましたが、15分で慣れました(笑)
クルージングは知床観光の目玉で、岬コースをはじめ各社がいろいろなコースを用意しています。
岬コースは三時間、8,000円もしますが、知床岬は陸路では行けないので知床に行った際はぜひ乗ることをおすすめします。
陸路で行けないのは特別保護地区になっているからですが、まぁそれ以前にヒグマがうじゃうじゃいるので何回もヒグマとストリートファイトしなければいけないわけで。
えーと、確実に一頭目でやられると思います(笑)
いつの間にか天気も回復。絶好のクルージング日和です。
最初から最後まで、圧倒されんばかりの自然の造形美が続きました。
あまりの天気のよさとあまりの景色の美しさに、途中、感極まって涙が出てきましたよ。
本当に来てよかった。誕生日にいい思い出ができました。
カムイワッカの滝。クルージングは船長さんのガイドつきだったのですが、おもしろおかしく、知床にまつわるいろいろな話をしてくださったので長時間もまったく苦にならず楽しむことができました。
「おっ、前方にヒグマがいますね〜」と船長さん。
歓声があがり、乗客のテンションだだ上がり(笑)
そのまま近くまで寄ってくれました。
このクルージングのために運をとっておいたと考えれば、朝の知床峠のホワイトアウトなんて取るに足らない鼻くそみたいな出来事ですよ。
と、強がりを言ってみるw
まぁでも、半分は本音です。
今度は親子ヒグマを目撃。
こんな海岸の開けた場所に普通にヒグマがいる。やっぱり人間が動物たちの生息地を狭め、森の奥へと追いやってしまったのかなと、そんなことを考えちゃいました。
カシュニの滝。フレペの滝、カムイワッカの滝もそうでしたが、知床半島には平地がほとんどないので、半島を流れてきた水源、地下水は断崖絶壁からいきなり海に流れ込みます。
そして、この特徴的な光景は、海からしか見られないわけです。
ついに知床岬に到達。
波が高くて停泊できず、じっくり見ることはできませんでした。
さらに雲が出てきたせいで、晴れてたら見える国後島も見えませんでしたが、間一髪欠航を免れただけでなく、青空の下であれだけの景色が見られたんだからここまで来れただけでも充分です。もう大満足。
この特徴的な形。たしか硫黄山って言ったと思います。
太陽が水面にキラキラと反射して…
贅沢すぎる誕生日プレゼントでした。
オロンコ岩のところでちょろっと紹介したゴジラ岩。
なるほど、確かにゴジラの形してます。
これが朝到着したウトロのバスターミナル。
路線バスも長距離バスも、すべてここが起点になります。
民宿の部屋からパチリ。
本日の夕食。
民宿って、旅館やホテルの殺人的な量の食事と比べると簡素な場合が多いですが、本来であればこれぐらいで充分だと思います。個人的な見解ですが。
だって、せっかく楽しい思いして来たのに、帰って体重計乗ってブルーな気分になりたくないじゃないですか(笑)
ウトロと言えば夕陽。とても楽しみにしていたのですが、食事を済ませて外へ出ると…
ヤバい!沈んじゃう。急げ!
本当はオロンコ岩の頂上まで行きたかったのですが、間に合わなかったので途中で撮影。
でも、この日見たオホーツク海に沈んで行く夕陽は、今まで見たどの夕陽よりも綺麗でした。

こんなに充実した誕生日は本当に久しぶり。
日本の最果て知床。本当に来てよかった。心の底からそう思いました。